
イベント主催者挨拶
豊島区国際アート・カルチャー特命大使/SDGs特命大使 ISIスタッフ 楠田法隆
SDGsの本質を体感できるカードゲーム「2030 SDGs」
カードゲーム「2030 SDGs」は、SDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するゲームです。このゲームは、SDGsに初めて触れる方でも参加しやすく、「なぜSDGsが私たちの世界に必要なのか」、「それがあることによってどんな変化や可能性があるのか」というSDGsの本質を楽しみながら理解することができます。

講師:2030 SDGsカードゲームの公認ファシリテーター
未来創造サポート(※3) 寺島義智 氏

講師:2030 SDGsカードゲームの公認ファシリテーター
小針丈幸 氏

ゲームの進め方の説明
ルールは簡単で、各プレイヤーは、最初に与えられた「お金」と「時間」を使い、手持ちのプロジェクトカードの中から、自身に設定された価値観に沿うゴールの実現を目指したプロジェクトを実行していきます。現実世界と同じく、世界には様々な価値観を持つ人々が存在しています。例えば、富を増やしたい人、環境を守りたい人、貧困や格差をなくし社会をよくしたい人など、それら一人ひとりの小さな行動(プロジェクト活動)は、まわりまわって世界の変化に影響を与えていきます。
つまり、プレイヤーがお金と時間を使ってプロジェクトを実行するたび、その活動リターンを得られることに加え、世界には何らかの影響が及ぼされ世界の状況メーター(「経済」・「環境」・「社会」)は変化していきます。前半と後半の二部制でゲームを進行しますが、前半終了時の世界の状況メーターは参加者全員でしっかりと確認した上で後半ゲームに突入し、そして、世界は2030年へと進んでいきます。
まさに、SDGs達成期限である2030年へ向けて、参加者一人ひとりの行動により世界が創られていく、という現実さながらの世界の状況変化プロセスを本ゲームでは疑似体験ができるのです。

世界の状況メーター
経済・環境・社会それぞれのメーター初期値

ゲーム進行中の様子

プレイヤーは、お金と時間を使ってプロジェクトを実行

途中経過
経済成長が優先されすぎ!?環境メーターが1に・・・

自身の目標達成度や、世界の現状について
参加者でどのような世界を創りたいのか話し合いながらゲームを進行

ゲーム終了時の世界の状況メーター
参加者全員が協力し合い、2030年に目指す世界を見事に達成できました!
ゲーム終了後は、「2030年の世界はどうなったのか」、また、「自身のゴールは実現できたのか」、について参加者間で確認した上で、ゲーム中の自身の問題意識の変化や行動変容のキッカケを振り返り、また、参加者間でもシェアしながら学びや気づきを得ます。

振り返りシートを記入し自身に生じた変化を振り返る

ゲーム中に自身に生じた変化や気づき、学びについてを参加者間でシェアし合う。
参加者の学びや気づき
さて、今回のカードゲーム「2030 SDGs」の体験を通じて、参加者にどんな学びや気づきがあったのか、感想と共にお届けします。
Q.自分たちの行動を振り返りながら、気づいたこと、学んだことを教えてください。
●「皆が幸せ」の状態が明確だとお金や時間も分け合えると思うのに、現実世界だと貪欲になってしまったり、それぞれの価値観が違いすぎたり、困っている人が見えにくかったりすることでうまくいかなくなってしまうことがあるんだなと思った。行動を起こせずともまずはそれを気にする、気づくことから始めようと思った。(Fさん・高校生)
●このゲームではスムーズにいったけれど、これが本当に世界規模となるとこんなにも上手く助け合えないのではないかと思った。経済さえ発展すれば他の取組みにも力を入れることができるなと思った。(Nさん・高校生)
●一つのテーマだけに集中してしまったら、世界の状況メーターに問題が起きてしまうことがわかった。ゲームではメーターが可視化されていたから分かりやすかったが、現実ではそうはいかないためSDGs達成は難しいと感じた。(Mさん・高校生)
●プロジェクトカードの損得ばかりに目が行きがちになっていて、内容をしっかり見ながらできなかった。でもカードの設定がリアルで、良いことばかりではなく悪い影響もあるんだなと思った。(Oさん・高校生)
Q.「SDGs」が大切にしていることは何だと感じましたか?
●人と人とが協力し合うこと。
そうすることで、皆の声を聴いてより多くの人が幸せな社会を創っていくこと。ターゲットを細分化することでどんな人にも自分も関係あると思ってもらうこと。(Fさん・高校生)
●バランス。
今損している部分が少ない人や国が、いかに心を広く持って手をさしのべられるかが重要だと思った。(Nさん・高校生)
●人と人とのつながり
やっぱり一人じゃ何もできないし、とても小さな力だということも感じた。一人ひとりが意識をもって問題解決に取り組めば良い未来を築くことができると思う。(Mさん・高校生)
●つながり。
一見なにも関係のないようなものでも、すべて理由があってつながっているんだなと思った。(Oさん・高校生)
Q.自由な感想
●気にしたことのないこと、知らなかったことに沢山触れられてとても刺激になりました!ありがとうございました!(Fさん・高校生)
●これからSDGsに取り組むにつれて、何か自分が軸にするものを決めていこうと思った。それぞれが1つのことに力を入れれば、一番早くよりよい世界になると思った。あと今回は、お金や時間等、今のことだけを気にしていたが、損をするプロジェクトカードはどれも将来的に得られるものがあるなと感じた。(Nさん・高校生)
●SDGsは解決しなければならない問題なんだとふわっとは思っていたが、何をどうすればいいかは分からなかった。目を向けて小さな行動を起こすだけでも世界は変わっていくのだと思う。まず私はマイバックを使用したりしてプラスチックゴミを減らすことを心がけていこうと思う。(Mさん・高校生)
●カードゲームが思ったよりもリアルにつくられていてびっくりしたし、世界観がおもしろかった。自分の学校でもできたらいいなと思う。(Oさん・高校生)
参加者の多くが、本ゲームを通じて、自分の行動と世界の状況との「つながり」を意識するようになりました。また、今日から自分ができることが見つかった、という意見も多かったです。
SDGs達成のために、一人ひとりの小さな行動が、良くも悪くもまわりまわって世界の変化に影響を与えていくことを、本ゲームを通じて参加者がしっかりと体感できました。
※1 SDGs体感型イベント
https://www.isi.ac.jp/tbl/opencampus/sdgs-spring2021
※2 カードゲーム「2030 SDGs」
https://imacocollabo.or.jp/games/2030sdgs/
※3 未来創造サポート
https://www.future-creation-support.com/
現場からは以上です。
引き続き、SDGs教育実践に関する記事投稿をお楽しみに!
<宣伝>2021年夏の特別企画
【豊島区発!これからの地域での共生や創生を考えるキッカケに!】「SDGs未来都市」の先進的なまちづくり事例を学べるオンライン講演会を開催!
内閣府よりSDGsへの優れた取組を行う自治体として「SDGs未来都市」に選定された豊島区を舞台に、SDGs特命大使として多彩な活動に自主的に取組むISIグループが主催するオンライン特別講演会です。 この度は、豊島区「わたしらしく、暮らせるまち。」推進室長の安達絵美子氏をお招きし、消滅可能性都市の指摘以降、豊島区の重点政策の柱に掲げられた「わたしらしく、暮らせるまち。」の目指すまちづくりについてお話いただきます。 「SDGs未来都市」での先進的なまちづくり事例を学び、参加者自身が居住する地域での共生や創生を考えるキッカケを得られる貴重な講演会となれば幸いです!
【国内最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム」に登壇!】「消滅可能性都市」から「SDGs未来都市」へと復活を遂げた豊島区の魅力を特命大使としてSDGsに関する学びと共に交流型でお届け!
この度、国内最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム」にISIグローバル教育総研として登壇します。 豊島区が目指す持続可能なまちづくりの魅力を特命大使としてお伝えしつつ、グローバルな視点でローカルに行動することの重要性をSDGsの学びと共にお届けします。 詳細については、「未来の先生フォーラム」の案内ページにてご確認ください!